私の職場にいた派遣SEは向上心もなく、ひたすら仮眠を取ることに長けていました。自分の可能性を諦めているようにも見え、正直、こんなふうにはなりたくない、と思いました。SEの収入は必ずしもスキルと経験に比例するものではありません。その原因の多くは、会社の給与体系や考え方、風土などボンヤリとしたものだったりしますが、自分でなんとかできるものではない種類のことが多いのも事実。転職をするとなれば躊躇する方もいるでしょうが、適切な収入を得ていない、将来的にも得られる可能性がない、ということであれば環境を変えるのが一番の方法だと思います。
派遣で働き続けることに疑問を持ち始めたSEは、キャリアアップに役立つスキルを磨くのもおすすめです。ある程度の経験を積んで技術を身につけた中堅SEは、新人指導と育成を任せられることが増えてきます。また、目標達成に向けてチームメンバーを統率するチームマネジメントも中堅SEになると求められる機会が増えるでしょう。このような役割が期待される中堅SEは、マネジメントスキルを磨くことで成長を実感しやすくなり、評価も得やすくなります。
エンジニアが派遣で働き続けることは、収入の面で大きく損をしていると思います。派遣会社がサポートをしてくれるというメリットはありますが、そのサポートが必要なものであるか、自分には不要、あるいは少しでいいのか、ということがフリーランスになることで切り分けが可能です。どうしても面倒、あるいはできないことであれば、専用のサービスや外部に任せてしまえばいいのです。その費用を支払っても十分の収入が、フリーランスになることで得られるのです。
SEにとって資格というと、「転職に有利なツール」という印象が強いのではないでしょうか。もちろんその通りなのですが、資格取得にはもうひとつの利点があります。それが「資格手当」です。資格手当の基準は会社によって異なりますが、もし今勤めている会社に資格手当がなかったとしても、次の転職先では資格手当制度があるかもしれません。同じスキルを持っていても資格という目に見える形として取得しているか否かで、収入が変化するのですから、取得しておくに越したことはありません。