SEなどのIT関係の仕事では、資格を取ると手当がつくことがあります。昔は、毎月の給料に資格手当がつく会社も多くありましたが、最近では、一時金という形がポピュラーです。とくに派遣で働いているSEであれば、手当よりも資格を持っているというアピールポイントが増えることが将来的にも有利となるポイントです。IT業界では、資格なんて持っていても役に立たないと言う人がほとんどですが、手当とアピールポイントというメリットだけをとっても取得しておいて損はないはずです。
新卒社員も挑戦する、IT業界の入門的試験である基本情報処理技術者は、まず取得しておきたい資格です。とはいっても、10年以上キャリアがあるSEが何も勉強をしないで合格するほど簡単なものではありません。こうした資格試験に多いように、この資格も実務では聞いたこともないような問題がでます。受験勉強は必須といえるでしょう。SEとしての実務経験がある人であれば、過去問題集を購入して、繰り返し問題を解くことをすればすぐに正解率が上がるでしょう。9割以上解けるようになれば、合格間違いなしです。初歩的な資格ということもあり、3~10万円くらいが一時金の相場のようです。
基本情報処理技術者は、学生や新卒でも挑戦する入門的資格でしたが、応用情報技術者試験は、実務経験を積みながら、コツコツ勉強をして取得する人が多い中級の資格です。午後の問題には、記述式の問題があるなど、基本情報処理技術者試験に比べ難易度は確実に上がっています。午前の問題は、基本情報処理技術者試験とほとんど変わらない難易度ですので、基本情報処理技術者試験に合格した勢いを持って応用情報技術者試験に挑戦するのが効果的でしょう。オススメの勉強法としては、基本情報処理技術者試験と同様に過去問を9割以上正解できるまで繰り返し行うのが良いでしょう。午後の記述式問題は、易しそうなものを選択するのがポイントです。よりたくさんの問題に触れることで、どの問題を選択すべきかもわかってきます。なお、この資格の一時金相場は、20万円前後のようです。
IPAが実施する情報処理技術者試験の中で、最高難度の資格は、9つあります。その中でも、比較的合格しやすいと言われるのが、情報セキュリティスペシャリスト試験です。このランクの試験は、トータルで5時間以上もある長時間の受験時間です。午後の文章問題が合否の鍵を握っています。過去問と参考書を入手して繰り返し勉強しましょう。ポイントは、受験会場でゼロから論述問題を組み上げていくのはとても難しいので、ある程度的を絞って論述問題の回答を数パターン作成しておくことです。
派遣で働き続けることに疑問を持ち始めたSEは、キャリアアップに役立つスキルを磨くのもおすすめです。ある程度の経験を積んで技術を身につけた中堅SEは、新人指導と育成を任せられることが増えてきます。また、目標達成に向けてチームメンバーを統率するチームマネジメントも中堅SEになると求められる機会が増えるでしょう。このような役割が期待される中堅SEは、マネジメントスキルを磨くことで成長を実感しやすくなり、評価も得やすくなります。
エンジニアが派遣で働き続けることは、収入の面で大きく損をしていると思います。派遣会社がサポートをしてくれるというメリットはありますが、そのサポートが必要なものであるか、自分には不要、あるいは少しでいいのか、ということがフリーランスになることで切り分けが可能です。どうしても面倒、あるいはできないことであれば、専用のサービスや外部に任せてしまえばいいのです。その費用を支払っても十分の収入が、フリーランスになることで得られるのです。
SEにとって資格というと、「転職に有利なツール」という印象が強いのではないでしょうか。もちろんその通りなのですが、資格取得にはもうひとつの利点があります。それが「資格手当」です。資格手当の基準は会社によって異なりますが、もし今勤めている会社に資格手当がなかったとしても、次の転職先では資格手当制度があるかもしれません。同じスキルを持っていても資格という目に見える形として取得しているか否かで、収入が変化するのですから、取得しておくに越したことはありません。